38歳で転職を考えると、「もう遅いのではないか」「年齢だけで不利になるのではないか」と不安になる人は少なくありません。
結論から言うと、38歳の転職は決して不可能ではありません。
ただし、20代や30代前半のように、ポテンシャルや勢いだけで評価される転職ではなくなります。
38歳で見られるのは、「何をやりたいか」よりも「どの役割を任せられるか」です。
これまでの経験を、応募先で再現できる価値として説明できるかどうかで、転職の結果は大きく変わります。
実際に私は36歳からキャリアを見直し、38歳で転職を経験しました。
この記事では、38歳転職の厳しさと成功条件を、実体験をもとに整理します。
とんび(管理者)の転職歴まとめ
- 23歳:年収200万円 コールセンター(契約社員)を経て、IT派遣会社で勤務開始
- 25歳:年収380万円 大手POS開発・運用会社に転職
- 30歳:年収450万円 自社アプリ開発・運用会社に転職
- 31歳:年収360万円 研究関連の事務サポート(契約社員)
- 32歳:年収470万円 中堅SIerに転職。派遣やSES(技術派遣と客先常駐のITサポート)として勤務
- 38歳:年収700万円 地方創成企業に転職。管理職(40歳以降はシステム開発責任者)として勤務
※年収は40時間/月残業時の提示金額
38歳転職は厳しい?結論は「経験の見せ方」で変わる
38歳の転職が厳しいと言われる理由は、年齢だけではありません。
実際には、企業側が見るポイントが変わるため、若手と同じ見せ方では評価されにくくなることが大きな理由です。
また、38歳という年齢から、考慮すべきポイントが増える点も難易度を上げています。
38歳は遅すぎる年齢ではない
38歳は、転職に遅すぎる年齢ではありません。
ただし、何も準備せずに応募すれば、年齢が不利に働きやすい年齢でもあります。
企業側は、38歳の応募者に対して「入社後すぐにどの役割を任せられるか」を見ています。
そのため、単に「転職したい」「新しいことをやりたい」と伝えるだけでは弱くなります。
これまでの経験が、応募先の仕事でどう活きるのかを説明できることが重要です。
年齢よりも「任せられる役割」が見られる
20代や30代前半であれば、未経験領域への挑戦やポテンシャルが評価される場面もあります。
一方で38歳になると、これまでの経験をどう活かせるのか、入社後にどの役割を任せられるのかがより重視されます。
たとえば、単に「開発経験があります」「サポート経験があります」と伝えるだけでは弱くなります。
企業が知りたいのは、どのような課題に対応し、どの範囲を任され、どのように周囲と連携してきたのかということです。
38歳の転職では、年齢そのものよりも、どの役割を任せられるかで判断されています。
38歳転職では入社後ミスマッチの可能性も考慮する
38歳の転職では、入社後のミスマッチを避けることも重要です。
年収、働き方、評価制度、任される役割が合っていない会社を選ぶと、転職後に違和感が大きくなります。
特に、評価基準を見ずに仕事内容だけで判断してしまうと、実際に評価されるポイントや期待される役割とのズレが起きやすくなります。
38歳は、少しずつ新しい挑戦がしにくくなってくる年齢です。
だからこそ、転職では内定を取ることだけを目標にするのではなく、転職後も納得して働き続けられる環境を選ぶことが大切です。
38歳で転職活動を進める場合も、基本的な考え方は36歳前後のキャリア整理とつながっています。
転職全体の進め方を整理したい方は、「36歳からの転職ロードマップ|失敗しないための現実と進め方」も参考にしてみてください。
38歳転職で厳しくなりやすい人の特徴
38歳の転職は、準備の仕方によって結果が分かれます。
特に厳しくなりやすいのは、年齢そのものよりも、転職の見せ方や応募先の選び方にズレがあるケースです。
やりたいことだけで応募先を選んでいる
38歳の転職で注意したいのは、「やりたいこと」だけを前面に出しすぎることです。
もちろん、やりたい仕事を持つことは大切です。
ただし企業側は、それ以上に「この人にその仕事を任せる理由があるか」を見ています。
たとえば、管理寄りの仕事をしたいなら、これまで管理や調整に近い役割を担ってきた経験を示す必要があります。
未経験の仕事を希望する場合も、過去の経験との接点を説明できなければ、38歳では厳しくなります。
年収・働き方・仕事内容をすべて上げようとしている
38歳の転職では、年収、働き方、仕事内容をすべて良くしようとすると難易度が上がります。
年収を上げたいのか、働き方を整えたいのか、仕事内容を変えたいのか。
優先順位を決めないまま動くと、応募先選びがぶれやすくなります。
特に家庭がある場合や、生活費を大きく下げにくい場合は、年収の下限を先に決めておくことが大切です。
理想条件を並べるよりも、譲れない条件と調整できる条件を分けるほうが現実的です。
職務経歴書が作業内容の羅列になっている
38歳の職務経歴書では、担当作業を並べるだけでは伝わりにくくなります。
企業側が知りたいのは、何を担当したかだけではありません。
どのような立場で関わり、どのような課題を解決し、どのような価値を出したかです。
職務経歴書の作り方に不安がある場合は、「36歳エンジニア転職の職務経歴書|SIerから社内SEを目指す経験整理とNG例」を参考にしてみてください。
実体験:環境|私が38歳で転職する前に置かれていた状況
ここからは、私自身の38歳転職の実体験です。
単に成功談として書くのではなく、どのような前提があり、何を整理したことで転職につながったのかを中心にまとめました。
年齢・家庭環境と当時の前提条件
転職活動を本格的に考え始めたのは36歳ごろからで、実際に転職した時点では38歳でした。
家庭があり、収入が大きく不安定になる選択は現実的ではない状況でした。
担当していた業務と働き方
当時勤務していた会社の主軸業務は、社内での請負開発でした。
一方で、案件獲得や既存顧客のサポートを目的として、客先常駐(SES的な働き方) も並行して行っている組織でした。
私はその中で、社内の請負開発チームと顧客の間をつなぐブリッジSE的な役割 を長く担当していました。
具体的には、客先に常駐しながら顧客の課題を整理し、要件を社内に持ち帰って開発チームへ共有する、という立ち位置です。
こうした業務は現場や顧客からの評価にはつながりやすい一方で、個人のキャリア形成や社内での明確なポジションアップに直結しにくいという側面もありました。
この点が、将来のキャリアを考えるうえで整理すべき課題の一つだと感じていました。
年収・評価とキャリアの手応え
当時の年収は550万円前後で、同世代のIT職種として見れば、それほど低い水準ではありませんでした。
請負開発チームと顧客の間に立ち、課題整理や調整を担う役割は現場からの評価も高く、案件獲得につながる動きができた点は、一定の手応えとして感じていました。
一方で、こうした業務は「個人の専門性」や「将来のキャリアパス」としてどのように積み上がっていくのかが見えにくく、この延長線で良いのかという不安も強まっていました。
当時感じていた課題意識
日々の業務そのものに大きな不満があったわけではありません。
顧客対応や調整業務には一定の評価もあり、仕事としてのやりがいも感じていました。
ただ、請負開発と客先常駐をまたぐ働き方の中で、自社に自分の強みや専門性がどの領域で評価されているのかが曖昧になりやすく、経験が「点」として積み上がっている感覚がありました。
40代以降のキャリアを考えたときに、このまま同じ立ち位置を続けることで、将来どのような役割や選択肢につながるのかを整理する必要があると感じていました。
実体験:戦略|転職準備でやったこと
自己分析|強みと役割の整理
最初に行ったのは、これまでの業務経験を冷静に棚卸しすることでした。
開発スキルそのものよりも、顧客と社内の橋渡し役として課題を整理し、関係者を巻き込みながら業務を前に進めてきた点が、自分の一貫した強みであると整理しました。
「何ができるか」ではなく、「どの役割で価値を出してきたか」を言語化することを意識しました。
市場価値の把握|現実を知る
次に、自分の経験が転職市場でどのように評価されるのかを把握しました。
転職サイトや診断サービスを使い、想定される職種や年収レンジを確認することで、希望と現実のズレを客観的に把握できました。
この段階で、狙うべき方向性と避けるべき選択肢が明確になりました。
企業選び|応募から書類選考までの流れ
応募は、これまで整理してきた「調整・管理を含む役割を担えるポジションかどうか」という軸を基準し、開発専業を前提とした募集よりも、業務全体を見渡す役割や、関係者との調整を求める企業を中心に応募しました。
その結果、書類選考では通過・不通過が分かれましたが、軸に合った企業とは比較的スムーズに面接へ進むケースが多くなりました。
書類準備|伝え方の調整
職務経歴書では、いわゆる経歴の羅列を前面に出すのではなく、自分がどのような役割で、どのような価値を提供してきたかを先に伝える構成にしました。
本文では、課題整理や調整、改善提案といった役割ベースの経験を中心に記載し、具体的な職務経歴については、書類の最後に付表のような形でまとめて追加しています。
これにより、読み手が全体像を把握したうえで詳細を確認できる構成となり、年齢や職歴の長さではなく、役割や安定感に目を向けてもらいやすくなったと感じています。
実体験:転職後の変化|仕事内容・年収・心境
仕事内容の変化
転職後は、個別の作業を担当する立場から、業務全体を把握し、関係者を調整しながら進める役割 が中心になりました。
現場に近い視点を持ちながら、課題整理や優先順位付け、進行管理に関わる機会が増え、これまで担ってきたブリッジSEとしての経験を、より明確な役割として活かせている実感があります。
年収・待遇の変化
年収は、38歳での転職を機に550万円前後から700万円前後へと大きく上がりました。
これは単純な給与条件の変化というより、業務全体を整理・調整する立場としての期待値が評価に反映された結果だと受け止めています。
年収が上がったことで生活面の安心感も増し、中長期のキャリア設計を現実的に考えられるようになった点は、転職による大きな変化の一つでした。
心境の変化
最も大きな変化は、ビジネスマンとして今後どの方向に進むべきかが、自分の中で整理されたことでした。
担う役割と求められる価値が明確になったことで、日々の業務に向き合う目的意識がはっきりし、結果として働くことへの活力が生まれたと感じています。
転職によってすべてが楽になったわけではありませんが、自分で選んだ道を進んでいるという実感は、仕事への向き合い方に確かな変化をもたらしました。
38歳転職で評価されたポイント
38歳の転職で評価されたのは、個別の技術スキルだけではありません。
むしろ、業務を整理し、関係者をつなぎ、仕事を前に進める力を具体的に伝えられたことが大きかったと感じています。
技術力だけでなく業務を前に進める力を伝えた
面接では、技術そのものを強調しすぎるよりも、業務を前に進めるための調整力と再現性を伝えました。
環境やメンバーが変わっても、課題を整理し、優先順位を付け、関係者と合意形成を行う力は活かせます。
この点を、自分の経験に基づいて説明しました。
38歳では、「何ができるか」だけでなく、「どの場面で価値を出せるか」を伝えることが重要です。
自分の強みを職種名ではなく、役割として言語化できるかどうかが評価を左右します。
職務経歴書と面接のメッセージを揃えた
職務経歴書と面接で伝えるメッセージは、できるだけ揃えるようにしました。
書類では、課題整理や調整、改善提案といった役割ベースの経験を中心に記載しました。
面接でも、その軸を崩さずに「どのような立場で価値を出してきたか」を話しました。
これにより、年齢や職歴の長さではなく、安定して任せられる人材かどうかに目を向けてもらいやすくなったと感じています。
面接での伝え方に不安がある場合は、「36歳IT転職面接で落ちる人の特徴|評価される答え方とNG回答」も参考にしてください。
38歳転職を成功に近づける進め方
38歳の転職活動では、求人に応募する前の整理が重要です。
焦って応募数を増やすよりも、自分の経験がどの職種・企業で評価されやすいのかを見極める必要があります。
特に意識したいのは、次の3つです。
- これまでの経験を職務経歴書でどう見せるか
- 希望条件と妥協できる条件を分けること
- 年収や働き方だけでなく、評価される役割を確認すること
38歳では、転職活動を「内定を取るための行動」だけで考えるとミスマッチが起きやすくなります。
自分がどの環境なら経験を活かせるのかを整理し、求人の条件と照らし合わせながら進めることが大切です。
①判断軸を先に決める
転職活動を始める前に、年収・役割・働き方・将来性のうち、どれを優先するのかを明確にしておくことをおすすめします。
すべてを満たす選択肢は少ないため、軸が定まっているかどうかで迷い方が変わります。
②行動は「情報収集」からでいい
転職は、いきなり応募することがスタートではありません。
市場や評価軸を知り、自分の経験がどのように見られるのかを把握するだけでも、次の一手はかなり考えやすくなります。
焦らず、準備から始めてください。
③職務経歴書では作業内容より役割を伝える
38歳の職務経歴書では、担当作業を並べるだけでは弱くなります。
企業側が知りたいのは、何を担当したかだけでなく、どのような立場で業務に関わり、どのような課題を解決してきたのかです。
そのため、作業内容、関係者、判断したこと、改善したことをセットで整理すると伝わりやすくなります。
④応募先は「受かりやすさ」だけで選ばない
38歳の転職では、受かりやすい会社を選ぶことも大切ですが、それだけで判断すると転職後に苦しくなることがあります。
特に、評価制度が曖昧な会社や、任される役割が見えにくい会社では、入社後に「思っていた働き方と違う」と感じやすくなります。
求人票だけで判断せず、面接で期待される役割や評価基準を確認することが重要です。
なお、現実的な職種選びや転職ルートは、「36歳のエンジニア転職ルート|現実的にITキャリアを積み直す方法」で詳しく整理していますので、こちらもぜひご確認ください。
⑤転職理由は不満ではなく判断軸で伝える
38歳の転職では、面接での転職理由の伝え方も重要です。
面接では、転職理由を通じて「なぜ転職したいのか」だけでなく、信頼できる人か、仕事に対する考え方があるか、最後までやり切れる人かといった人間性も見られています。
そのため、たとえ内容が事実であっても、前職への不満が前面に出てしまうと、受け身な印象や他責的な印象につながる可能性があります。
大切なのは、不満そのものを伝えるのではなく、そこから何を考え、次にどのような環境でどう貢献したいのかを説明することです。
転職理由や志望動機をどう整理するか不安な場合は、「36歳の志望動機の作り方」でも、経験を前向きに伝える考え方を整理しています。ぜひご確認いただければと思います。
38歳転職でよくある疑問
- 38歳の転職は遅いですか?
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38歳の転職は、決して遅すぎるわけではありません。
ただし、20代や30代前半のように、ポテンシャルだけで評価される転職ではなくなります。
これまでの経験をもとに、どのような役割を任せられるのか、入社後にどう貢献できるのかを具体的に伝えることが重要です。38歳では、年齢そのものよりも「経験の見せ方」と「応募先との相性」が転職結果を大きく左右します。
- 38歳で未経験職種へ転職するのは難しいですか?
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38歳で未経験職種へ転職する場合、難易度は高くなります。
ただし、完全に不可能というわけではありません。
これまでの経験と新しい職種に共通点がある場合や、業務知識・調整力・マネジメント経験などを活かせる場合は、現実的なルートを作れる可能性があります。未経験職種を目指す場合は、「やりたい」だけでなく、「これまでの経験をどう活かせるか」を説明できるようにしておくことが重要です。
- 38歳の転職で年収は下がりますか?
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38歳の転職で年収が下がるかどうかは、転職先の職種・役割・評価制度によって変わります。
経験を活かせる転職であれば、年収維持や年収アップを狙える場合もあります。
一方で、未経験領域への転職や、働き方を優先する転職では、一時的に年収が下がる可能性もあります。年収だけで判断するのではなく、転職後にどのような経験を積めるか、将来的に年収が伸びる環境かを確認することが大切です。
まとめ|38歳転職は年齢より「任せられる理由」で決まる
38歳の転職は、決して不可能ではありません。
ただし、ポテンシャルや勢いだけで評価される転職ではなくなります。
企業が見ているのは、年齢そのものよりも、これまでの経験をもとにどの役割を任せられるかです。
私自身も、36歳からキャリアを整理し、38歳で転職しました。
その結果、年収は550万円前後から700万円前後へ上がり、業務全体を整理しながら関係者を調整する役割へ進むことができました。
大切なのは、焦って応募数を増やすことではありません。
自分の経験を棚卸しし、評価される役割を整理し、応募先との重なりを確認することです。
この転職は思いつきではなく、業界構造や評価軸を整理したうえで判断しました。
転職の全体戦略は「36歳前後のIT転職を戦略的に考えるためのロードマップ」にまとめていますので、あわせてご確認いただければと思います。

