36歳で転職を考えたとき、多くの方がまず気にするのが「転職回数」ではないでしょうか。
- 何回までなら大丈夫なのか
- 多いと書類で落とされるのか
- 面接でどう見られるのか
結論から言うと、36歳の転職回数に明確な上限はありません。
ただし、転職の軸がしっかりしていない場合、回数が不利に働くことは確かです。
この記事では、採用側の視点と私自身の転職経験をもとに、36歳で転職回数がどう評価されるのかを整理します。
▼転職回数と捉えられ方
30代の場合、転職回数が3回程度までであれば意識されることは少ないですが、4回を超えると意識され始めることがあります。

結論|36歳の転職回数に「明確な上限」はない
36歳の転職でよくある誤解が、「転職回数が◯回を超えたら終わり」という考え方です。
実際の採用現場では、回数そのものよりも、次の点が重視されます。
- なぜ転職したのか
- 何を得たのか
- 次にどう活かすのか
つまり、回数そのものよりも、転職の背景や考え方をどのように説明できるかが見られています。
企業が本当に見ているのは「回数」ではない
企業が転職回数を見る理由は、「回数が多いか少ないか」を判断するためではありません。
本当に見ているのは、この人は何を軸に働きたいと考えているのか、また、その軸が一貫しているかという点です。
その軸が明確であれば、「この人は簡単には辞めないだろう」と判断されやすくなります。
一方で、転職理由がその場しのぎに見えると、回数以上に「また辞めるかもしれない」という印象を持たれてしまいます。
36歳で評価が分かれるポイントとは
36歳という年齢では、「ポテンシャル」よりも「安定して成果を出せるか」が見られます。
そのため、転職回数が多い場合は特に、「同じ理由で辞めていないか」「感情的な判断が続いていないか」といった点が厳しくチェックされます。
採用側は転職回数をどう見ているのか
もちろん、採用側が転職回数をまったく見ていないわけではありません。
特に、1年ごとに転職しているケースや短期離職が続いている場合は、「なぜこうなっているのか」を確認すべきポイントとして意識します。
ただし、ここで見ているのは「多い・少ない」という数そのものではなく、その背景が説明できるかどうかです。
回数はあくまで、確認のきっかけに過ぎません。
書類選考で見られているポイント
書類選考では、転職回数を単体で評価することはほとんどありません。
実際には、次のような点をまとめて見ています。
- 在籍期間が極端に短い職歴が続いていないか
- 役割や職種が場当たり的に変わっていないか
- 短期間の転職に、何らかの事情がありそうか
この段階では、「不採用にする」というよりも、面接でどのようなことを確認すべきか を検討しているケースが多いです。
「多い」と感じられるラインの実態
36歳前後の場合、4〜5回以上の転職で「やや多い」と感じる採用担当者は一定数います。
特に、1年未満の在籍が複数ある場合は、注意深く見られます。
ただし、転職の理由や背景を整理して説明できれば、それ自体が大きなマイナスにならないことが多いです。
- 短期離職も含めて、転職の経緯を正直に整理している
- 良かった点だけでなく、反省点や学んだことにも触れている
- その経験を踏まえ、次の職場で何を大切にしたいかが明確になっている
このように説明できれば、転職回数は単なる離職リスクではなく、経験を重ねながら自分に合う働き方やキャリアの軸を明確にしてきた過程として受け取ってもらいやすくなります。
なお、採用側がこのような感覚を持つ背景には、実際の転職回数の分布があります。
厚生労働省が2024年に公表した「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(令和6年3月)によると、約7割が転職回数1〜3回に収まっているとされています。
採用側の「やや多いと感じるライン」は、こうした分布を前提に形成されていると考えられます。
面接では、転職回数について次のような、やや柔らかい聞き方をされることが一般的です。
「こちらのご経歴を拝見すると、◯◯社は比較的短い期間だったように見受けられますが、当時の背景や理由についてお聞かせいただけますか」
この質問の意図は、転職回数を責めることではありません。
- その転職をどう捉えているのか
- 当時、どのような判断をしたのか
- 今振り返って、どう考えているのか
といった、思考の整理度と再発防止の意識を確認しています。
36歳で転職回数が多い場合に評価が伸びにくくなる理由
36歳で転職回数が多い場合でも、すぐに大きな不利になるわけではありません。
ただし、これまでの転職を整理しきれていない状態のまま応募すると、評価が伸びにくくなることがあります。
転職回数以上に、転職の背景や考え方が相手に正しく伝わらないことは、大きな問題となります。
転職理由や短期離職の背景が整理されていない場合
転職理由が職歴ごとに断片的に語られると、採用側はキャリア全体の流れをつかめません。
特に短期間での転職が続いている場合、背景や当時の判断が説明されないと、「入社しても同じ理由ですぐに辞めるのではないか」と慎重に見られます。
一方で、それぞれの転職理由や反省点、次の選択にどう生かしたかを整理して伝えられれば、在籍期間ではなく、考え方や仕事のやり方で評価される可能性がでてきます。
問題になるのは転職回数や短期離職そのものではなく、これまでの選択に一貫した説明を加えられていないことです。
キャリアの軸が言語化されていない場合
転職のたびに判断基準が変わって見えると、採用側は「次は何を理由に辞めるのか」を想像してしまいます。
ただし、実際には軸がないのではなく、自分の中にある判断基準を言葉にできていないケースも少なくありません。
まずは、これまでの職場で変わらず持ち続けた思い、失敗したがプラスとなった経験、次の職場で実現したいことを整理します。
そこから共通する考え方を見つけ、「何を大切にして働きたいのか」まで説明できるようにすることが重要です。
なお、転職回数の評価は景気や採用状況によっても変わります。
現在の求人状況については、「36歳のIT転職市場と求人動向」で整理しましたので、データからも分析したい方はぜひご確認ください。
36歳で転職回数が多くても評価につながるケース
36歳で転職回数が多くても、評価につながるケースは少なくありません。
その多くは、特別な経歴があるわけではなく、これまでの転職を整理し、相手に伝わる形にできている状態です。
回数が評価されるのではなく、積み重ねがどう理解されるかがポイントになります。
職種や役割の共通点が整理されている場合
会社名や業界がバラバラでも、「どんな役割を担ってきたのか」が整理されていれば、経験は一本の線として伝わります。
重要なのは、その時一貫性を意識しながら業務に取り組んでいたかではなく、過去の経験を一貫性のあるものとして説明できる準備ができているかです。
転職ごとの判断理由と得たものが言語化されている場合
評価される人は、すべての転職を「成功」に見せているわけではありません。
むしろ、うまくいかなかった転職も含めて、何を判断し、何を得て、次にどう活かしたかを整理しています。
この整理があると、転職回数はマイナスに見えにくくなります。
次の職場での役割が具体的に描けている場合
採用側が知りたいのは、過去よりも「入社後にどう働くか」です。
これまでの経験を踏まえて、次の職場でどんな役割を担い、どう貢献できるかを具体的に語れると、転職回数は自然と背景情報として扱われるようになります。
36歳の転職では「なぜ転職するのか」「次に何を実現したいのか」を整理しておくことが重要です。
36歳転職で採用側が見ている現実は、「36歳転職は厳しい?遅い?採用側が見る現実と成功条件」で詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。
転職回数が多い場合の伝え方
私自身、転職回数は少ない方ではありません。
38歳での転職活動では、その点を不安に感じる場面もありましたが、実際には転職回数そのものを指摘される場面は多くありませんでした。
むしろ評価に影響したのは、職務経歴をどのように説明し、会話をどう組み立てたかだったと感じています。
職務経歴で得たものと反省点を伝える
面接では、転職回数について直接的に問われる前に、職務経歴の説明の中で、各転職で得たものと反省点を自分から説明するようにしていました。
「なぜ転職したのか」を単独で語るのではなく、その経験が現在の考え方や仕事の進め方にどうつながっているかまで含めて説明することを意識していました。
説明に「どう役立っているか」を必ず加える
職務経歴の説明では、過去の事実を並べるだけで終わらせず、「その経験で得たもの」と、必要に応じて「反省点」を必ず加えるようにしていました。
これにより、単なる経歴紹介ではなく、自分の判断軸や仕事への向き合い方を相手に伝えられると考えていたからです。
相手の態度で手ごたえを確認する
面接では、職務経歴の説明後の相手の態度から手ごたえを確認するようにしていました。
たとえば、説明を深掘りする質問が増えるか、そのまま別の質問に移るのかで、こちらの話にどれだけ関心を持ってもらえているかを判断していました。
相手の反応を見ながら説明の切り口を調整することで、一方的に評価される場ではなく、面接の中で自分からアピールできる状態に持ち込めていたと感じています。
質問を想定し、会話を自分から展開する
職務経歴の説明後に来そうな質問をあらかじめ想定し、回答を用意しておくことも意識していました。
これにより、採用側に質問を主導されるのではなく、自分から会話を展開する余裕が生まれ、結果としてより良い印象を持ってもらいやすくなったと考えています。
まとめ|36歳の転職で問われるのは「回数」ではなく「整理の仕方」
36歳の転職では、転職回数そのもので直接合否が決まるわけではありません。
採用側が見ているのは、これまでの転職をどう振り返り、どのような軸で次のキャリアを選ぼうとしているかです。
転職回数が多くても、判断の背景や反省、そこから得た学びを整理して伝えられれば、経験の厚みとして評価されます。
重要なのは、回数を減らそうとすることではなく、自分のキャリアを言葉にできる状態にすることです。
36歳は、これまでの選択を整理し、次の一歩を主体的に選び直せる年代でもあります。
転職を不安からの行動にせず、納得のいく判断につなげるためにも、まずは自分の歩みを整理するところから始めてみてください。
36歳からのキャリア全体設計の具体的な判断軸や進め方は、「36歳からのIT転職ロードマップ」 にまとめていますので、こちらが参考になれば幸いです。
