年収490万→500万で止まる理由は「評価」にある|壁の正体と突破策

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年収の壁の理由と突破策

36歳前後のIT転職相談で、非常によく聞くのが「年収が480〜490万円で頭打ちになっている」という悩みです。

500万円という数字自体に大きな意味があるわけではありません。
ただ、このラインを境に、

  • 評価のされ方
  • 任される役割
  • 次の年収レンジ

が変わるのも事実です。

ここでは、なぜこの壁が生まれるのか、そしてどうすれば越えられるのかを、構造と実体験の両面から整理します。

目次

なぜ「年収490万→500万」で止まる人が多いのか

評価が「作業ベース」で止まっている

多くの人がこの年収帯で止まる理由は、やっている仕事が「作業」として評価されているからです。

  • 言われたことを正確にこなす
  • トラブル対応をする
  • 手を動かして現場を回す

これらは重要ですが、「あなたでなければならない理由」にはなりにくいのが現実です。
評価が作業ベースに留まっている限り、年収レンジも大きくは動きません。

会社の評価制度が500万円以上を想定していない

個人の問題ではなく、会社側の構造が原因で止まるケースも非常に多いです。

  • 商流が下流
  • 人月・派遣モデル
  • 単価が固定されている

こうした会社では、そもそも500万円以上の年収レンジを想定した評価制度が存在しないことがあります。
どれだけ頑張っても、上限が決まっていれば越えられません。

「できること」と「評価されること」がズレている

本人は確実に成長しているのに、評価に反映されないケースもあります。

それは、「できること」と「会社が評価する指標」が噛み合っていない状態です。
このズレに気づかないまま努力を続けると、「自分はスキル不足なのでは」と誤解してしまいます。

500万円の壁は「能力不足」ではなく「構造の問題」

年収レンジは個人よりも「ポジション」で決まる

IT業界では、年収はスキルだけで決まるものではありません。

  • 職種
  • 役割
  • 会社のビジネスモデル

これらによって、最初から年収レンジが決まっているケースがほとんどです。
同じスキルでも、ポジションが変われば年収は大きく変わります。

SES・派遣・業務委託で起きやすい評価の限界

SESや派遣、業務委託を主とする会社では、人月単価や契約内容によって売上が決まるため、個人の判断力や調整力が直接評価に反映されにくい構造があります。

現場でどれだけ貢献していても、会社としては「契約通りに稼働しているか」以上の評価がしづらく、年収レンジが頭打ちになりやすいのが実情です。

結果として起きる「仕事を測る物差し」がない状態

SESや派遣を主とする会社では、評価制度が「開発量」「作業時間」「資格」など、分かりやすい作業成果を前提に設計されていることが多く、ITディレクターや調整役のようなポジションは想定外になりがちです。

現場では業務調整や意思決定支援といった重要な役割を担っていても、売上や工数として数値化しにくいため、評価基準に落とし込めません。
その結果、「成果は出しているのに、どう評価すればいいか分からない」という状態が生まれ、年収が上がらないケースにつながります。

500万円を超えられる人がやっている視点の切り替え

ここまで見てきたとおり、年収490万円前後で止まる理由は、能力ではなく構造や評価の問題であることがほとんどです。

では、その壁を越えられる人は、何を変えているのでしょうか。
共通しているのは、「スキルを増やす」よりも視点を切り替えている点です。

「何をやったか」より「なぜそれをやったか」で語る

500万円を超えられる人は、作業内容を並べて説明しません。
代わりに、「なぜその判断をしたのか」「どんな課題があり、どう考えて動いたのか」を語ります。

これは、単なる経験の共有ではなく、他の現場でも再現できる思考プロセスを示す行為です。
企業が評価しているのは、スキルそのものよりも「同じ状況で同じように判断できるか」という点です。
この視点に切り替わると、評価のされ方が大きく変わります。

作業者から「業務を動かす側」への立ち位置変更

年収が伸びる人は、無意識のうちに立ち位置を変えています。

自分の担当作業だけを見るのではなく、業務全体の流れや優先順位を意識し始めます。
例えば、調整役に回る、関係者の意図を整理する、改善案を出すといった動きです。

大きなマネジメント経験がなくても構いません。
業務を前に進める視点を持てているかどうかが、500万円を超えるかどうかの分かれ目になります。

自分の役割を「業務成果」に翻訳できるようになる

もう一つの切り替えは、技術や作業をそのまま語らないことです。

500万円を超えられる人は、自分の仕事を業務成果の言葉に置き換えています。
「システム対応をした」ではなく、「業務停止リスクを減らした」、「作業時間を短縮した」といった表現です。

この翻訳ができるようになると、評価はエンジニア目線ではなく、会社目線で行われるようになります。

ここで有名な「三人のレンガ職人」の寓話を思い出してください。
同じ作業をしていても、「レンガを積んでいる」と考える人と、「大聖堂を作っている」と考える人では、仕事の意味がまったく違います。

36歳前後のIT転職でも同じで、作業そのものではなく、その仕事が業務にどんな価値を生んでいるかを語れる人が評価されます。
視点が変わるだけで、評価の土俵は大きく変わります。

転職で500万円の壁を越えるための現実的な選択肢

視点を切り替え、評価される考え方を身につけても、環境そのものが変わらなければ年収は上がりません。
500万円の壁を越えるために必要なのは、「正しい努力」よりもどの選択肢を取るかの判断です。

36歳前後のIT人材が現実的に取れる選択肢は、大きく分けて次の3つです。

① 今の会社で「評価される役割」に寄せていく

まず考えるべきは、現職で年収が上がる余地があるかです。

  • 500万円以上の年収レンジが制度として存在する
  • 業務改善・調整・判断といった役割が評価対象になっている
  • 役割拡張や裁量の余地がある

これらが揃っている場合、今の会社に残ったまま500万円を越えることも十分可能です。
逆に、制度や役割が見えない場合は、努力しても結果が出にくい可能性があります。

② 評価される「ポジション」に転職する

次に現実的なのが、評価されやすいポジションへの転職です。
36歳前後では、

  • 社内SE
  • 情シス
  • 業務理解が求められるITポジション

など、業務への影響度が高い役割の方が年収は伸びやすくなります。

技術一本で勝とうとするよりも、業務を安定させ、改善できる立ち位置を選ぶ方が、500万円の壁は越えやすくなります。

③ 評価されない構造から「環境ごと」抜ける

SES・派遣・業務委託を主とする会社では、個人の判断力や調整力が評価に反映されにくい構造があります。
この場合、スキルを磨くよりも、評価される環境に移ることが最短ルートです。

能力が足りないのではなく、評価の物差しが存在しない環境にいるだけというケースは少なくありません。

500万円はゴールではなく「次のステージへの入口」

500万円はあくまで通過点です。
この壁を越えられるかどうかで、550万、600万といった次の選択肢が見えてきます。
重要なのは、「一気に上げる」ことではなく、自然に年収が伸びる位置に立つことです。

年収が伸びなくなる「評価の壁」と、その正体

ここで、私自身の転職経験をもとに、この「評価の壁」がどういうものだったのかを整理します。
36歳転職で考えるべき判断軸は、「36歳からの転職ロードマップ」で整理しています。

正社員として働いていても、評価が積み上がらない違和感

30歳の転職では、社員1000人規模の大企業から、20人程度の小規模企業へと環境が大きく変わりました。
当時は評価軸の重要性をまったく理解しておらず、前職から環境を変えるだけで精いっぱいの転職だったと思います。

転職先はSESではありませんでしたが、年収レンジや評価基準が明確に定まっておらず、「何を達成すれば評価されるのか」が分からない状態でした。
仕事の幅は広がり、任される責任も増えている。それでも評価が積み上がっている実感はありませんでした。

今振り返ると、このとき感じていた漠然とした不安の正体は、能力不足ではなく、評価軸そのものが存在しない環境に身を置いていたことだったのだと思います。

『能力』ではなく『評価の土俵』が問題だと気づいた瞬間

32歳で再びITの現場に戻った転職先には、評価制度や基準がきちんと存在していました。
だからこそ、自分がなぜ評価されないのかを考え、評価項目を一つひとつ見直すようになりました。

その過程で気づいたのは、評価軸がないのではなく、その評価軸が自分の役割と噛み合っていないという事実でした。
求められているのは開発案件を正確にこなす力であり、調整や判断、業務全体を見て動く役割は、定量評価の対象には存在しませんでした。

このとき初めて、問題は能力不足ではなく、自分が立っている評価の土俵そのものが違うのだと理解しました。
評価されるには、努力ではなく、立ち位置を変える必要があると気づいた瞬間でした。

評価の壁を越えた転職体験

評価の壁を意識するようになってから、転職活動では年収そのものよりも、「自分の役割がどう評価されるか」を重視するようになりました。
38歳で転職した先では、作業量や技術力だけでなく、業務全体を理解したうえで判断し、関係者を調整し、結果につなげる役割が評価対象になっていました。

面接では、これまでの経験をシステム構成や業務フローとあわせて説明し、自分がどのように判断し、成果につなげてきたかを具体的に伝えました。
その結果、役割と評価軸が噛み合う環境に移ることができ、年収やポジションも自然に次のレンジが見えるようになりました。

この経験から、評価の壁を越えるために必要だったのは、より努力することではなく、「どこで、何として評価されるか」を見極めて環境を選び直すことだと実感しています。

まとめ|年収が伸びない本当の理由は「評価の壁」にある

壁を越えられない人の共通点

評価の壁を越えられない人には、いくつか共通する傾向があります。

多くの場合、自分の仕事がどの評価軸に乗っているのかが見えないまま、「今できることを頑張る」選択を続けています。
評価基準が曖昧な環境では、努力の方向を見直す判断自体が難しく、結果として同じ場所で同じ頑張り方を繰り返してしまいます。

しかし実際には、評価されない原因が個人ではなく、評価の仕組みや役割とのズレにあることも多く、そこに気づけないまま時間だけが過ぎてしまうことが、壁を越えられない状態につながっています。

壁を越えられる人の共通点

一方で、評価の壁を越えられる人は、自分の評価を客観的に見ています。
努力の量ではなく、「何が評価され、何が評価されていないのか」を冷静に整理し、そのうえで行動を変えています。

評価軸が合っていないと分かれば、スキルを無理に積み増すのではなく、役割や環境を選び直す判断が必要です。
この切り替えを行うことで、年収やポジションが自然に次のレンジへ進んで行きやすくなります。

36歳でこの壁に向き合う意味

36歳前後は、評価の壁に気づき、向き合う最後の適切なタイミングだと感じています。

これまでの経験を振り返り、自分がどの土俵で評価されてきたのかを整理できる一方で、役割や環境を変える現実的な選択肢もまだ残されています。

評価の壁は、越えられる人が決まっているのではありません。
評価の壁に向き合い、環境を見直す行動を取れるかどうかで、その先のキャリアは大きく変わります。

36歳の転職をどう進めるべきかは、「36歳からの転職ロードマップ」で全体像を整理しています。是非、一度眺めてみてください。

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この記事を書いた人

CareerLiftは、30代半ば以降でIT業界や転職に迷う方に向けた情報を発信しています。コールセンター・派遣・開発・SESを経験し、現在は地方創生企業で管理職として勤務しています。
現実的な視点を大切にしています。

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